おむすびに隠された意味
現在のNHKの朝ドラは「おむすび」というタイトルで、若い高校生がギャルや書道部を経験し栄養士となっていく物語です。タイトルにあるように時々、おむすびを食べる場面が出てきます。
おむすびは握り飯のことであり、おにぎりとほぼ同等に使われています。関東でおにぎり、関西でおむすびと使われることが多いそうです。全国的におにぎりのほうが使われているようです。形は丸や三角、あるいは俵型などありますね。中に具材を入れて、周りにのりを巻いたりします。あるいはふりかけなどをご飯に混ぜて握ったりします。一番シンプルなのは、具材を入れずにただ単に塩で握った塩むすびなどありますね。中の具材は、梅干しや昆布、シャケなどいろいろあります。その具材も地方によってさまざまで、地方独自のご当地おむすびがあるそうです。いろいろなおむすびはおいしそうですね。塩むすびに関しては、以前放映されていた、山下清物語で、主人公が塩むすびをよく食べていたのを思い出しました。
おむすびを思い浮かべる時、三角型を思い浮かべるのは、コンビニで三角おにぎりが主流だからです。三角形はとがっている部分に神が下りてくる、という意味もあるそうです。私の母はよく俵型にのりを巻いていました。いずれにしろ、日本のソウルフードであり、はしを使わずに簡単に食べられるファーストフード的なものです。そして、母親が愛情をこめて握るおむすびは格段においしいものです。最近ではおむすび屋さんも増えてきましたね。
私は、このおむすびが、外国でも流行るのではないかと随分前から思っていました。若い子の外人さんがおむすびにあこがれて、日本に修行に来て、自国でお店を開いたりしています。これからどんどん、ファーストフードとして外国でもおむすびが流行っていくことでしょう。
ただ、外人さんには、日本人が牛乳を飲むとお腹をこわしたりするように、のりなどの海産物を消化させる消化機能がない人が多いそうで、佃煮ののりを食べてお腹をこわしたりするそうです。なので、残念ながら、海苔巻きのおむすびは苦手な方も多いようですね。
おむすびという言葉を聞くと、「結び」という漢字を思い浮かべます。おむすびは右と左の二つの手で握るのですが、米粒をひとつひとつ結んでいくという意味もあるようです。「結び」も日本文化の中で深い意味があり、人と人を結んだりする縁起の良いものです。また「産霊(むすび)」という言葉があります。それは天地万物を生成する意味があり、生命を産み出し、すべての生き物の繁栄を促し、楽しく生きることを実施するという意味があるそうです。
造化三神と言われる、日本神道系の最高神は、天之御中主(アメノミナカヌシ)を中心に高皇産霊神(タカミムスビノカミ)と神産霊神(カミムスビノカミ)の三柱です。
この造化三神には、ムスビが付いているのです。接頭辞のオがついて、オムスビとなっています。ムスビが付く二柱の神様は先ほどのべたように生命を産み出し、繁栄を願う神様なのです。昔から気軽に食べられていたおむすびにそんな深い意味があるとは、ほとんどの方が気付かれないことでしょう。最近、米の値段が爆上がりしましたが、米は日本人にとって、日本人の身体を作り生命を育む大切なものです。おかずを減らしてでも、米を食べてほしいものです。そしておむすびをたくさん食べて元気になり、子孫繁栄を願い平和と繁栄を願うといいと思います。